人工内耳の日講演会に行ってきました

8/18(土)に人工内耳の日講演会に行ってきました。

ちなみに、人工内耳の日は9月9日。

補聴器の日が6月6日。

知らなかった・・・(笑)

 

うちの娘は今のところ人工内耳ではありませんが、人工内耳に限らず、難聴の子を持つ親としては非常に勉強になる内容でした。

 

特に、愛媛の人工内耳リハビリテーションセンター長の高橋先生の話は、すごく良かったです!
ものすごく腑に落ちるし、共感できる言葉がどんどん出てきて、お人柄も非常に穏やかで、惹きつけられました。

 

印象に残った言葉、参考になりそうな言葉を並べてみます。

 

★先天性難聴で、22歳の時に人工内耳にした方の話

人工内耳手術後、電子音のような音。人も犬も水の音なんかも全て同じ音に聞こえた。

しかし、マッピングをしていき、1年後には区別できるようになった。

小さな音が聞こえるようになった。

例えば、時計の秒針の音、換気扇の音、火をつける音など。

 

★「きこえる」から「きく」へ

人工内耳とは、今はまだ聴覚入力(話しことばを聞くための道具)に過ぎないけど、今後は聴覚言語処理ができるようになっていく?いかなければならない?
でも、「きこえる」から「きく」へというのは、なるほどと思いました。

 

★ある実験のようなものを体験しました。

全然聞き取れない音声が流れて、本当に何を言ってるのか全くわかりませんでしたけど、「これは○○・・・と言ってます」と聞いてから同じ音声を聞くと、その通りに聞こえました!

文字が出た後に音声を聞くと、非常に聞き取りやすい。

だからこそ、先天性難聴のうちの娘たちは、本当に頑張って言葉を覚えてるんだなと改めて強く胸に刻まれました。

 

★人工内耳は、単純な音楽は得意だけど、複雑な音楽は苦手

この音楽を人工内耳で聞くと、こんな風に聞こえるというイメージを聞きました。

ジングルベルの歌は、まあ何とかわかりましたが、ベート-ベンの音楽は、雑音以外の何物でもないような聞こえ方でした。

ただ、人工内耳にする前に音楽に触れていた人は、比較的音楽が聞き取りやすくなるとのことでした。

つまり、音楽に触れておくことは、人工内耳の可能性を高めてくれるということ。

 

★先天性難聴で、補聴器を付けて80dBぐらいの方の話

話の出だしが理解が難しい。

最初にテーマを言ってくれると、その後の話が理解しやすくなる。

 

迷惑をかけてもいいと思えるようになった。

それまでは、何度も聞き直すのが億劫だし、相手にも悪いし、何度も聞き返して嫌がられるの嫌なので、聞こえたふりをすることもよくあった。

しかし、外国の難聴の人に出会って考え方が変わった。

彼らは、明るく何度でも聞き返してくるし、聞き返すことは悪いことじゃないんだと思わせてくれた。

 

確かに日本人は迷惑をかけないようにするのが美徳なところがあるけど、それとこれとは話が別で、聞こえなかったら聞き返してもちろんいいはずで、そうできるように育てたいし、そうできる環境をつくるサポートはしていきたいですね。

 

★「音は単独で存在するのではなく、必ずある場面や文脈の一連の流れの中で生じる」

深いですね~

だからこそ、こうした方がいいという療育的な関りが何点も見えてきます。

 

★「音を聞くことの喜び、驚き、怖さなど・・・を、共感・共有する人の存在が非常に大切」

★「子どもの心に感動を引き起こすのが前提」

これまた深いです。

 

つまり・・・

★「楽しくて、意味ある聴覚的経験をすることが大切」

それが言葉が入ってくるベースですね。

 

★情報をピックアップ⇒注意維持⇒情報の探索と意味づけ⇒場面や文脈の中で音を意味づける

なるほど・・・

 

★語用の処理の難しさ

クーラーが効きすぎてる部屋で、「寒いなあ」と言ったら、普通は、「温度上げようか」となる。

みんなでご飯を食べてて、「あ、そこに醤油あるなあ」と言われると、取ってほしんだなと思う。

こういうのが語用の処理。

しかし、難聴児はこれが難しい。

 

★言葉を覚えさせるのではなく、やりとりを深める

深いですね~!

このあたり、全て高橋先生の講義で、僕はSTじゃないですけど、スライド欲しかったですね~

 

★自分には聞こえない部分があることを把握しておくことが大切。

これが把握できてると、助けてほしいことを具体的に言える。

助けてほしいことを言えないと、相手はどう協力したらいいかわからない。

そして、こうしてほしいだけでなく、「これはできます」とできることをしっかり伝えるのも大切。

 

ちなみに、合理的配慮という言葉はご存知の人も多いと思いますが、僕は、これは相手の方からするものだと思っていましたが、基本的に、当事者からの申し出がなければ不要なようです。

知らなかった!

でも、まあそうですよね。

だからこそ、自分には何ができて何ができないのかを把握しておくことが大切で、なおかつ、それを明るく協力を求めることができることですね。

 

そうそう、ips細胞で難聴が完治しないか・・・については、実用化には10年、20年はかかるかなと、九大の中川先生が言われていました。

 

以上、長々と書きましたけど、勉強になった1日でした。

そして、インプットで終わっては意味がありません。

少しずつアウトプットしていかなきゃですね。

 

ということで、今やってるのは、

音の喜び、驚き、怖さをスルーせず捉えていく、

やりとりを深める

という部分です。

 

少しずつでも続けていきます!