子どもの難聴について


子どもの難聴は、感音難聴という種類が多いと言われています。

感音難聴は、音の大きさも小さくしか聞こえないし、大きな音は響き、更に音が歪んで聞こえます。

感音難聴の人が補聴器を付けたときの聞こえ方をイメージで表すと以下のようになります。

もちろん、全ての感音難聴の人がこのように聞こえるわけではありませんでして、あくまで一例です。

 

難聴の人が補聴器を付けた状態での聞こえ方のイメージ1

まず、補聴器や人工内耳をつけても、聞こえる人と同じような音の大きさでは聞こえません。

そして、音が歪むため、子音が聞き取りにくくなります。

(もちろん、難聴の種類や程度によって変わります)


<聞こえる人>

<補聴器・人工内耳の聞こえ方>


この図は、騒がしい場所での聞こえ方をイメージしています。

 

聞こえる人は、周りが騒がしくても、聞きたい音だけ強調して拾うことができます。

(もちろん、状況や個人差にはよりますが)

しかし、補聴器は、周りの音も同じように大きくしますので、複数人が同時に喋っていると、右(または下)の図のようなイメージになり、誰が何を話しているのかが非常に把握しにくくなります。

加えて、聞こえる人ががあまり気にならない空調の音なども、周りの声と同じように増幅されて聞こえてきます。

人工内耳は、音を大きくしませんが、拾った音を全て電気の信号に変えるので、音の多い場所では、やはり音が重なって聞こえてしまうようです。

 

ここでは大きな字で書いていますが、もちろん聞こえる人のように大きな音では聞こえません。

周りの全ての音が重なって聞こえてくるため、騒音に感じることがあり、それを表すために大きな字で表しています。

高価な補聴器は、周りの関係ない音を小さくする機能もついていますが、子どもが小さいうちは、いろんな音に気付けるよう、あえて調整のきかない補聴器をつけていることもあります

 

補聴器をつけている難聴の子どもは、おおよそこのような聞こえ方になります。

私は、娘が難聴を持って生まれてくるまでは、難聴と言っても、補聴器をつければ自分と同じように聞こえるものだと思っていました。

そう思っている人は多いと思います。

 

ですが、実際はこのような聞こえ方になります。

 

そして、生まれつきや、言語を獲得する前の幼い頃に難聴になると、当然ですが「ことば」の理解が困難になります。

ことばがうまく話せない、聞こえないとなると、コミュニケーションが取りにくくなりますし、発達の遅れも生じやすくなります。

 

ですので、もちろん、難聴の子どもを育てること、難聴の子どもと関わることは、大変に思うこともあるはずですが、先人たちの実例を知れば希望を持てることも多々ありますし(特別な人ではなく、普通の家庭の実例です)、ちょっとした気遣いによって、お互いに随分とコミュニケーションが取りやすくなったりもします。

 

下記に、4パターンの環境ごとに、コミュニケーションを円滑にしたり、共生するためのヒントを紹介しています。

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