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有効な言葉の繰り返し

こんにちは。岩尾です。

今日は、療育アイディアについてお話しします。

といっても、今回は、アイディアというより、3年半ほど療育をしてきて思う原則的なことです。

 

これは、言語聴覚士さんからも言われましたし、至る所で言われることで、目新しいことではありませんが、

 

「音環境を整えた上で、その子どもに合わせた言葉を繰り返すこと」

です。

 

 

以前、僕の娘と同じ程度の難聴の子が、言葉が目に見えて(耳に聞こえて?)出だしたことがありました。

その頃、うちの娘はほとんど言葉が出ていませんでした。

何が違うんだろう?と思っていましたが、後々その子の親御さんがこんなことを言っていました。

「話すときは、炊事なんかもやめて、静かな環境を作り、とにかく言葉を繰り返しかけた」

 

その頃、その親御さんは仕事をしてなく、子どもさんも保育園などには行ってなかったので、毎日一緒にいて、環境を整えて、有効な言葉を繰り返しかけてたんだと思います。

それから間もなくして、うちの娘も言葉が一気に出だしました。

 

うちはどうやってたかというと、共働きで保育園に通っているという状況でしたが、僕とカミさん二人でなるべく有効な言葉をかけ続けました。
あまり静かな環境は整えてやれなかったかもしれませんが、二人でできたのが良かったんだと今では思います。

 

つまり、繰り返しが大事だということで、例えば、母親だけが有効な言葉をかけるより、両親がいるなら、父親と母親が有効な言葉をかけた方が単純に効果は2倍になるというわけです。

 

もちろん、一人親の方は2倍にはできませんが、できる範囲で有効な言葉を繰り返すことはできますし、2人でやらないとダメというわけでは決してなく、言いたいことは、「有効な言葉の繰り返し」が何にも勝るということです。

 

それぞれの家庭の状況は違います。

なので、その家庭の状況の中で、いかに有効な言葉を繰り返せるか?

ここに尽きるんじゃないかと今の段階では思っています。

 

ちなみに、有効な言葉とは、”静かな環境”で、”今その子の目や気持ちが向いているもの”です。

だから、タイミングも大事ですね。

「葉っぱ」という言葉を教えようと思った時に、子どもが車の方を向いてたら、「葉っぱ」は捨てて、「くるまだね」と声を掛ける。

地味なことですけど、こういう有効な言葉の繰り返しが大切だなと思いますし、こういうことは意識しないとできないことでもあります。

 

余談ですけど、学習の最大効果はインパクトと繰り返しと言われています。

療育では、体験学習が非常に多いですが、幼い子どもにとって、いろんな体験はまさにインパクトでしょうし、そして、事前学習・現場・振返りと、繰り返しが用いられています。

先人さんたちの経験のおかげで、よりよい療育ができるようになってきていて、本当にありがたいなと思います。