2/16(日)に第13回の定例会を開催しました。
今回は、年末アンケートで多かった「進路」の話をしました。
難聴児の進路って、各自治体で状況は違いますが、僕らの周りでは、体系的に進路の全体像が見える資料がなく、直面して、「こういう進路があります。どうしますか?」みたいなイメージです。
僕自身、非常にわかりにくかったので、ここ数年で情報収集して、整理してまとめたものをこの日は説明しました。
まず、小学校の進路で考えなければいけない大事なことは2テーマあって、
①療育
②音環境の整備
この2つです。
小学校にあがると、自治体の児童発達支援施設は利用できなくなります。未就学児対象なので。
民間の児童発達支援施設なら、その後放課後等デイサービスへとつながるところもあると思いますが、今利用している場所によって変わってきます。
それと音環境。
ろう学校に行くならこの件は全く大丈夫ですが、地域の小学校に行く場合は、これが大切です。
つまり、少人数でゆっくり先生の話を聞ける環境が必要で、これが、特別支援学級ですね。
特に、難聴学級というのもあり、地域になければ、あるところに親が送り迎えをして通うこともできれば、新設申請もできます。
難聴学級新設申請は、基本、申請があれば受けなければいけないようですが、部屋がないとか先生が確保できなかったなどの事情でできない場合もあるようです。
療育をする場所が「通級教室」で、音環境を整備する場所が「難聴学級」や「他の支援級」です。
全国的にそうなのかもしれませんが、 通級を選んだら難聴学級が選べず、難聴学級を選んだら通級が選べません。
これ、本来、2つ必要なのに、システム的にはおかしいなと思います。
まあ、今は、難聴に特化している放課後等デイサービスなどもあるので、無理に毎週授業を抜けなきゃいけない通級教室で療育する必要はないかなというところではありますが、こういうところは、制度を変えていかなきゃいけないところだとは思います。
さあ、そして、我が家はどの進路を選択するのか?
悩むところですよね。
これに正解はないと僕は思ってます。
いろんな選択肢を見学して、子どもと話しながら決めていくわけですけど、どの選択にも、メリット・デメリットはあると思います。
大切なのは、選択した進路のデメリットを理解して、それを解消させる方法を事前に考えておくことです。
解消できないのなら、もしかすると、別の選択の方がいいかもしれません。
ちょうど、この日、
「地域の小学校に行くと、周りが助けてくれるから、助けてもらって当然だと思ったり、自分でやろうと思っても誰かが助けてくれるので、自立できなくなる。ろう学校は自立を考えた関りを重視をしているという話を聞いて、進路を迷っている」という話を聞きました。
確かに言われてみれば、そうか!と納得するというか、考えさせられると思います。
専門家の人に言われればなおさら、地域の小学校の選択はやめたほうがいいのかと悩んでしまいますよね。
でも、地域の小学校で、周りが助けてくれる人ばかりとは限りません。
逆に何も助けてくれず、孤立していってしまうことだってあります。
それに、聴覚に障がいを持ったとすると、やはり、何らかの助けは必要で、少しずつ助けてもらいながら生きていくことが大切だろうなと僕は思います。
それは、障がいがあるなしに関わらず、僕だって、1人では生きていけないし、いろんな人にいろいろ助けてもらって生きてきています。
人の助けを得ないで生きることが自立ではありません。
そんな人は多分この世の中にいません。
必要に応じて人に助けてもらい、それに感謝しながら自分も誰かを助けながら生きていく。
これが本当の自立だと思います。
聴覚障がいの子は、他の子より少し多めに助けてもらうことがあるかもしれませんが、それだけの違いだと思います。
自分がやりたい時は、「自分でやらせて」と言えることが大切です。
助けてもらうのは当たり前じゃなくて、感謝することが大切です。
そういうことを家庭でも教えていけばいいのかなと思います。
逆に、ろう学校では、聴者とのコミュニケーションの取り方はなかなか身に付きません。
社会では、ほとんどが聴者なので、この人たちと関わらず生きていくことは不可能なので、聴者とのコミュニケーションの取り方も身に付ける必要があります。
それじゃあ、ろう学校以外で、そういう機会を作っていけばいいだけです。
ろう学校に行ったら、聴者とのコミュニケーションの取り方が身に付かないわけではなく、その機会が減るので、別途作っていけば当然身に付いていくわけです。
こんな感じで、自分が選んだ進路に足りないものがあれば、じゃあどうやって補っていこうか考えればいいわけですよね。
あとは、自分たち家族が何を一番大切にしたいかで最終的には選んでいけばいいのかなと思います。
そして、一旦選んだらもう変えられないわけではなく、変更ももちろんできます。
それなりのエネルギーはいりますが、進む方向は変えられます。
これ、わかっていると、少し楽じゃないですか?
決して一発勝負ではありません。
選んだ選択が最善策です。
ボチボチいきましょう~
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